鍼灸コース

鍼灸は、専用の鍼やお灸を用いて行われる施術方法です。
鍼灸の施術のメカニズムや特徴についてご紹介します。

●鍼灸とは

東洋医学では、人間の身体には気（エネルギー）・血（血液）・水（水分）が流れており、気・血・水のバランスが崩れることで不調が起こると考えられています。
鍼灸では滞った気・血・水の流れを促し、人間が本来持つ自然治癒力を高めて不調の改善を目指していきます。

施術の際には、それらの経絡の各所にある「経穴（ツボ）」に刺激を与えます。
経穴に刺激を与えることで滞っていた気・血・水の流れが促され、体内からバランスを整えることができます。

●鍼について

鍼の施術では、専用の鍼を使用して経穴に刺激を与えていきます。
鍼といっても注射針とは異なり、非常に細くて先が丸くなった鍼を使用します。
そのため、痛みが少ないです。
また、当院ではディスポ鍼という使い捨ての鍼を使用しているため、衛生面でも安心していただけます。

●お灸について

お灸の施術では、艾（もぐさ）を燃焼したときに発生する熱刺激を利用して施術を行います。
艾とは、よもぎの綿毛を生成して作られたものです。

お灸には「直接灸」と「間接灸」という2種類の方法がありますが、当院では間接灸を行います。
肌の上で直接燃焼させるのではなく、艾と肌の間に台座を置きます。
そのため、直接灸よりも熱さを抑えることができ、心地よく施術を受けていただけます。

鍼灸では、さまざまな不調の改善や効果が期待できます。

●効果が期待できる症状

・四十肩、五十肩

肩の強い痛み、可動域の制限やしびれが現れます。
急性期は痛みを伝達する神経をブロックし、痛みを緩和させます。
また、慢性期には拘縮した筋肉をほぐし、早期回復を目指します。

・頚腕症候群

肩から肘、腕のしびれが現れます。
首や肩、腕の筋肉の緊張が原因のため鍼灸で血流を促し、筋肉の緊張をほぐすことで症状の緩和・改善を目指します。

・腰痛

腰に痛みや重さが生じ、場合によっては下肢のしびれが現れることもあります。
鍼灸で腰まわりの血流を促し、硬くなっている筋肉の柔軟性を高めることで痛みを緩和します。
病気やケガが原因の場合、鍼灸で自然治癒力を高めることで早期回復が期待できます。

・神経痛

腕や足など神経のつながる部分に痛みが生じます。
鍼で痛みを伝える神経をブロックし、痛みを緩和します。

・リウマチ

関節に痛みが生じる病気です。
鍼灸で循環改善や自律神経の正常化をはかることで症状の緩和が期待できます。

・頚椎捻挫後遺症（むちうち）

交通事故に多いケガで、首の痛みや手足のしびれ、倦怠感などが生じます。
鍼灸の刺激で筋肉の拘縮を緩和し、自然治癒力を高めて損傷箇所の早期回復を目指します。

・自律神経失調症

自律神経のバランスが崩れることで生じる頭痛やめまい、動悸、イライラ、不眠などの不調症状です。
鍼灸では気・血・水の流れを促すことで自律神経のバランスを取り戻します。

鍼灸の施術では、次のような効果が期待できます。

●痛みの緩和

痛みを伝達する神経をブロックし、痛みを緩和します。
炎症が起きている箇所にも施術が可能です。

●自律神経の調整

気・血・水のバランスを整えることで、自律神経のバランスも調整されます。
日中の活動時には交感神経が優位になり、夜間には副交感神経が優位になるように調整します。

●免疫力向上

身体の循環が良くなることで、人間が本来持っている自然治癒力が高まります。
免疫力も向上し、ウイルスなどの外敵と戦う力が強まります。

●血行促進

鍼灸の刺激によって、滞っていた血液の流れを促すことができます。
血流が促進されると、血行不良によって生じていた多くの不調の改善につながります。

鍼灸では、次のような流れで施術が行われます。

①カウンセリング

まずはカウンセリングで症状やお悩みについてお伺いします。
動坂らく～だ接骨院・鍼灸・マッサージ院では東洋・西洋医学的な検査を行っていきます。

・脈の確認

脈に触れることで拍動の強さや早さ、硬さなどを確認します。
脈を通して気血の状態を確認することができ、病気や臓腑の様子を判断します。

・内臓機能の確認

手でお腹を軽く押すことで、内臓の状態を確認できます。
腹部の緊張状態や圧痛、弾力性を確かめ、患者様の身体の全体的な状態を把握します。

・舌の検査

舌は身体の状態を表す指標のひとつです。
舌を観察することで、身体の状態を確認します。

②筋緊張の緩和

鍼灸の施術を開始する前に、全身の筋肉の緊張を手技でほぐしていきます。
これにより、鍼灸の効果を高められます。
あわせてツボの場所の確認もおこなっていきます。

③施術

鍼灸の施術を開始します。
鍼の場合は専用の鍼をツボへ打ちます。
お灸の場合はツボの上に台座を置き、その上で艾を燃やします。

④施術後の状態確認

鍼やお灸を取り除き、痛みや違和感の有無を確認します。
鍼灸施術後は、痛みやだるさなどを覚える患者様もいます。
これは瞑眩（めんげん）と呼ばれる施術後の好転反応で、気血の流れが促されることで発生します。

⑤施術後の説明、アドバイス

今後の通院や日常生活における注意点やアドバイスなどのアフターフォローを行います。

鍼灸の施術を受けていただく場合、次の点にご注意ください。

●入浴

鍼灸の施術後は、傷跡などが残って菌が入るようなことはありません。
そのため、施術当日から入浴していただくことができます。
ただし、施術によって血行が促進されている状態なので、長風呂は避けてください。
長風呂をすることで気分が悪くなってしまうケースがあります。

●飲酒

鍼灸の施術後は血行が促進されているため、飲酒すると全身にアルコールが回りやすくなってしまいます。
そのため、普段よりも酔いが回りやすいため、施術当日の飲酒はおすすめできません。
また、施術前に飲酒をすると鍼灸の効果が薄れてしまうので、施術前の飲酒も避けましょう。

●運動

施術後は血行が促進されているので、激しい運動は避けてください。
激しい運動をしてしまうと、より血行が促されてしまい気分が悪くなってしまう場合があります。

●施術後の身体の状態

・身体のだるさ

鍼灸の施術後には、一時的な痛みやだるさが出ることがあります。
この痛みやだるさは好転反応と呼ばれるもので、施術によって身体の循環が巡って回復に向かっていることを表します。

・内出血

鍼の施術後は、内出血が生じることがあります。
血管が細い高齢者の方や血流が悪い方に起こりやすいです。
内出血は数日で改善されていきます。

・感染

鍼の施術で使用する鍼は使い捨てになるため、他人の病気などが鍼によって感染することはありません。